動物は,日本チャールス・リバー(株)より搬入した5週齢のSD系[Crj:CD(SD)]ラット(雄,127〜138 g; 雌,110〜120 g)を1群雌雄各5匹用いた.ラットは,室温21〜22℃,湿度52〜59 %,換気回数10回以上/時(オールフレッシュエアー方式),照明12時間/日(午前6時点灯,午後6時消灯)に制御した飼育室で,ステンレス製金網ケージに2〜3匹ずつ雌雄別に収容し,固型飼料〔ラボMRストック,日本農産工業(株)〕と水は自由に摂取させた.
投与量は,投与量設定試験の結果,3-メチル安息香酸は急性毒性の弱い物質と考えられたので,1000および2000 mg/kgの2用量を設定した.他に,溶媒のみ投与の対照を設けた.投与方法は,投与液量を体重100 g当り1 mLとし,テフロン製胃ゾンデおよび注射筒を用いて動物の胃内に単回経口投与した.ラットは前日の午後5時より投与後3時間まで除餌し,水のみ自由に摂取させた.
観察期間は投与後14日間とし,その間の一般状態の観察と生死を確認した.体重は,投与直前,投与後1,3,7および14日に測定した.剖検は,観察期間終了後にエーテル麻酔死させて行った.
以上の結果から,3-メチル安息香酸の急性毒性を示唆する変化は認められなかった.LD50値は,雌雄とも2000 mg/kgを上回ると推定された.
連絡先 | |||
試験責任者: | 山本 譲 | ||
試験担当者: | 伊藤義彦,下平裕二 | ||
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Authors: | Yuzuru Yamamoto(Study director) Yoshihiko Ito, Yuji Shimodaira | |||
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