これらの結果から,テトラヒドロフルフリルアルコールのラット単回経口投与におけるLD50値はカテゴリー5に分類された.
動物は,日本チャールスリバーより搬入後,5日間馴化・検疫飼育した10週齢のSD系[Crj:CD(SD)IGS]雌ラットを,各ステップ毎に3匹(ステップ1:214(205〜225)g,ステップ2:215(207〜219)g)を用いた.ラットは,室温21.8〜22.4℃,湿度52〜60 %に制御した飼育室で,ステンレス製金網ケージに3匹ずつ収容し,固型飼料[ラボMRストック,日本農産工業]と水は自由に摂取させた.
本被験物質のラット経口投与におけるLD50値については1.6〜3.2 g/kgとの報告1)がある.従って,投与量は,OECDの試験法ガイドライン423に示されている5,30,300および2000 mg/kgの中から,ステップ1の用量として,2000 mg/kgを選び,死亡状況を確認しながら,試験を進めた.投与方法は,投与液量を体重100 g当り1.0 mLとし,テフロン製胃ゾンデおよび注射筒を用いて,動物の胃内に単回経口投与した.ラットは前日の午後5時より投与後3時間まで除餌し,水のみを摂取させた.
観察期間は投与後14日間とし,その間に一般状態の観察および生死の確認を行った. 体重は,観察1(投与直前),4,8および15日に測定した. 剖検は,全例とも観察期間終了後にエーテル麻酔死させて行った.
以上の結果から,テトラヒドロフルフリルアルコールのラット単回経口投与におけるLD50値は,カテゴリー5に分類された.
1) | Richardson ML and Gangolli S : “The Dictionary of Substances and their Effects”, Vol. 7, the royal society of chemistry,England(1994) pp.353-354. |
連絡先 | |||
試験責任者: | 山口真樹子 | ||
試験担当者: | 野田 篤,伊藤雅也 | ||
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