雌雄とも死亡は認められず,一般状態にも変化は認められなかった.また,投与後の体重の推移および剖検所見のいずれにも,被験物質の投与に起因すると考えられる変化は認められなかった.
1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタンのLD50は,雌雄とも2000 mg/kgを上回ると推定された.
被験物質は,投与当日に日局注射用水(光製薬,ロット番号:9510AH)を用いて20 %(w/v)の溶液に調製し, 投与検体とした.投与検体中の被験物質は安定であること,および本試験で用いた投与検体には,所定量の被験物質が含有されていたことを確認した.
以上の結果より,本試験の投与量はOECD化学物質試験法ガイドライン〔401〕で規定された限度量である2000 mg/kgとした.投与液量は,体重1 kg当たり10 mLとし,動物をあらかじめ約18時間絶食させた後,投与直前に測定した体重を基に投与液量を算出し,ラット用胃管を用いて強制的に経口投与した.投与は午前10時〜11時の間に行い,給餌は投与後約3時間に行った.
体重は,雌雄とも順調に増加した.また,観察第15日に行った剖検において,いずれの器官および組織にも変化は認められなかった.
以上の結果から,1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタンのラットにおける単回経口投与によるLD50は,雌雄とも2000 mg/kgを上回ると推定された.
連絡先 | |||
試験責任者: | 大原直樹 | ||
試験担当者: | 加藤博康,代田眞理子,松本亜紀,神谷幸男,稲田浩子,永田伴子,畔上二郎,三枝克彦,安生孝子 | ||
(財)食品薬品安全センター 秦野研究所 | |||
〒257-8523 秦野市落合 729-5 | |||
Tel 0463-82-4751 | Fax 0463-82-9627 |
Correspondence | ||||
Authors: | Naoki Ohara(Study Director) Hiroyasu Katoh, Mariko shirota, Aki Matsumoto, Yukio Kamiya, Hiroko Inada, Tomoko Nagata, Jiro Azegami, Katsuhiko Saegusa, Takako Anjyo | |||
Hatano Research Institute, Food and Drug Safety Center | ||||
729-5 Ochiai, Hadano-shi, Kanagawa, 257-8523, Japan | ||||
Tel +81-463-82-4751 | FAX +81-463-82-9627 |