1. 一般状態および死亡状況:死亡例はなく、異常症状は観察されなかった。
2. 体重推移:各投与群とも対照群とほぼ同様の推移を示した。
3. 剖検所見:いずれの例とも著変はみられなかった。
以上により、n−ヘキサデカンのLD50値は2000 mg/kg以上と考えられた。
媒体として、コーンオイルを用いた。
投与日に、調製した各投与検体液の一部を財団法人日本食品分析センター名古屋支所に送付し、ガスクロマトグラフィーにより被験物質濃度を測定した。その結果、被験物質濃度は適正範囲内の値を示した。
群分けは、コンピュータを用いて体重を層別に分けた後に、無作為抽出法により各群の平均体重および分散がほぼ等しくなるように投与日に行った。なお、動物の体重の変動幅は平均体重から±20%を越えないことを確認した。
検疫・馴化期間中および絶食期間中はステンレス製懸垂式ケージ(W:240×D:380×H:200 mm)を用いて1ケージあたり5匹までの群飼育とし、群分け後はステンレス製五連ケージ(W:755×D:210×H:170 mm)を用いて個別飼育した。ケージの受け皿および給水瓶の交換は1週間に2回以上、ケージおよび給餌器の交換は2週間に1回以上行った。
飲料水は、水道水を給水瓶を用いて自由に摂取させた。ただし、群分け時から投与後約6時間までは絶水させ、その後に飲料水を与えた。
飼料中の微量金属および汚染物質の分析ならびに飲料水の水質検査の結果、いずれも検査結果は試験施設で定めた基準値の範囲内であった。
投与に際しては、金属製経口胃ゾンデを取り付けたプラスチック製ディスポーザブル注射筒を用いて、強制経口投与した。投与液量は、投与直前に測定した体重を基準として10 ml/kg体重で算出した。投与回数は1回とした。
投与時の体重範囲は、雄が128〜132 g、雌が112〜118 gであった。
投与量設定の理由:雄ラットを用いた予備試験の結果、OECD化学品テストガイドラインで限界用量とされている2000 mg/kgでも死亡例はみられなかった。したがって、当試験では2000 mg/kgを最高用量とし、以下公比2により1000および500 mg/kg群を設定した。なお、対照として被験物質と同一液量の媒体(コーンオイル)を投与する群を設けた。
(2) 体重は、各群で平均値および標準偏差を算出した。
有意差検定は対照群と被験物質投与各群の間で多重比較検定を用いて行い、危険率5%未満を有意とし、5%未満(p<0.05)と1%未満(p<0.01)とに分けて表示した。
すなわち、Bartlett法による等分散性の検定を行い、等分散の場合には一元配置法による分散分析を行い、有意ならば対照群との群間比較をDunnett法により行った。一方、等分散と認められなかった場合は順位を利用した一元配置法による分析(Kruskal-Wallisの検定)を行い、有意ならば対照群との群間比較は順位を利用したDunnett法を用いて行った。
以上の如く、n−ヘキサデカンはOECD化学品テストガイドラインで限界用量とされている2000 mg/kgの投与によっても死亡発現はなく、一般状態の観察でも異常症状はみられなかった。また、体重推移に異常はなく、剖検でも著変はみられなかった。
したがって、n−ヘキサデカンのLD50値は2000 mg/kg以上と考えられた。
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