| 1. | 2000 mg/kg群の雌雄ともに死亡の発生はなく,致死量は雌雄ともに2000 mg/kgを上回るものと推定された. |
| 2. | 2000 mg/kg群の雌雄では,観察期間を通して一般状態の異常は認められず,体重も順調な推移を示し,観察期間終了時の剖検でも肉眼的異常は認められなかった. |
提供)は,水に対する溶解性が38 g/100 mLの無色澄明の液体である.入手後の被験物質は,低温遮光下で保管し,投与終了後に供給源にて分析を行い,試験期間中安定であったことを確認した.媒体には日本薬局方 注射用水(
大塚製薬工場,Lot No. 5E87)を使用し,これに被験物質を20 w/v%濃度になるように溶解して投与液を調製した.調製は投与の2日前に行い,調製した投与液は室温遮光下に保管した.なお,調製した各投与液の濃度を測定し,設定値の±5 %以内にあることを確認した.また,調製前に,本調製法による0.1および20 w/v%溶液が室温散光下で調製後8日間安定であることを確認した.
)を雌雄各15匹購入し,8日間の検疫馴化を行ったのち,雌雄各10匹を選んで6週齢で試験に使用した.投与日の体重は,雄が183.7〜194.8 g,雌が128.1〜140.7 gであった.動物は,温度24±2℃,湿度55±10 %,照明7時〜19時および換気回数13〜15回/時に設定したバリアーシステム飼育室で床敷(ホワイトフレーク,日本チャールス・リバー
)を入れたポリカーボネイト製ケージに,1ケージ当たり2〜3匹ずつ収容して,高圧蒸気滅菌処理した固型飼料(MF,オリエンタル酵母工業
)および次亜塩素酸ナトリウムを添加(約2 ppm)した水を自由に摂取させた.
投与経路は,経口とした.投与は,約16時間絶食させたのちに,胃管を用いて1回強制経口投与した.投与容量は10 mL/kgとし,個体ごとの投与液量は投与日の体重を基に算出した.
試験群は,上記1用量に注射用水のみを投与する対照を加え計2群とした.1群当たりの動物数は,各群とも雌雄各5匹を設けた.
群分けは,投与前日の体重を基に層別連続無作為化法で行った.
このように,本被験物質の単回投与毒性試験では死亡の発生はなく,一般状態,体重および剖検においても本被験物質の投与による変化は認められなかった.以上の結果より,ラットにおけるアセト酢酸メチルの単回経口投与による致死量は雌雄ともに2000 mg/kgを上回るものと推定された.
| 連絡先 | |||
| 試験責任者: | 太田 浩 | ||
| 試験担当者: | 荒木栄一,古川浩美,幸 邦憲,一鬼 勉,鍬先恵美子 | ||
パナファーム・ラボラトリーズ 安全性研究所 | |||
| 〒869-0425 熊本県宇土市栗崎町1285 | |||
| Tel 0964-23-5111 | Fax 0964-23-2282 | ||
| Correspondence | ||||
| Authors: | Hiroshi Ohta(Study director) Eiichi Araki, Hiromi Furukawa, Kunihiro Yuki, Tsutomu Ichiki, Emiko Kuwasaki | |||
| Safety Assessment Laboratory, Panapharm Laboratories Co., Ltd. | ||||
| 1285 Kurisaki-machi, Uto-shi, Kumamoto, 869-0425, Japan | ||||
| Tel +81-964-23-5111 | Fax +81-964-23-2282 | |||