国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 総合評価研究室


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研究内容


平成22年度 各研究課題の概要


1.化学物質リスク評価における定量的構造活性相関とカテゴリーアプローチに関する研究

 本研究では,化学物質のリスク評価を実施する上で必要とされる毒性を予測するにあたり,評価に必要不可欠である試験項目について,定量的構造活性相関予測やそれに関する研究領域において, 国際的に使用されているいくつかの構造活性相関コンピュータープログラムの検証を行い,問題点の洗い出しを行うと共に,予測精度を上げるためのアルゴリズムの改良や, 数多くの物質を効率的に精査するための物質のカテゴライズ化に関する研究を行っている.

(1) 化学物質リスク評価における(定量的)構造活性相関 [(Q)SAR]およびカテゴリーアプローチの実用化に関する研究
 ジメチルアニリンの構造異性体についてカテゴリーアプローチ適用の検討を行い,OECD高生産量既存化学物質点検プログラムにおける評価書を作成した. (Q)SAR手法の開発においては,反復毒性試験における標的臓器毒性(脾臓,骨髄,および,甲状腺毒性)について,既存化学物質安全性点検データ及び関連する文献情報をもとにそれぞれ 4種のRapid Prototypeアラート構築に成功した.21年度構築した肝毒性予測モデルについては,特徴部分構造と計算記述子を組み合わせることで精度向上が可能であることが示された. さらに,カテゴリーアプローチや(Q)SARの効果的な利用に関するガイダンス作成に向けて,米国EPAやEU,OECDの動向について情報収集を行った[厚生労働科学研究費補助金].
(2) 構造活性相関手法による有害性評価手法開発
 昨年度に引き続き,新規に入手した既存化学物質の試験データに関して,構造活性相関解析用の化学物質構造の入力を行うと共に、既存化学物質点検事業で実施された反復投与毒性試験および反復投与生殖毒性併合試験の報告書やNTPレポートをデータベース化するための項目について検討を行った[一般試験研究費]

2.水道水に係わる毒性情報評価に関する研究

 本研究は,飲料水中の化学物質の基準値設定及び改定に資するために,食品安全委員会やWHOが新たに健康影響を評価した化学物質や,新たに健康影響が懸念される化学物質の毒性情報を収集し整理すると共に, 化学物質の安全性評価手法に関する最新知見の動向調査を行い,得られた知見の基準値設定等への適用の妥当性について検証することを目的としている. 本年度は,環境経由暴露により健康影響が懸念される銀について,体内動態および毒性に関する情報を収集・整理するとともに,最新の安全性評価手法として近年注目されつつある, 化学物質の複合暴露によるリスク評価手法及び作用機序に基づいた用量反応評価手法について国際動向を含めた最新情報を収集しまとめた [厚生労働科学研究分担研究]. さらに,平成22年12月に東京で開催された「WHO飲料水水質ガイドライン(第4版)専門家会議」及び「WHO水質関連専門家合同戦略会議」に出席し,ガイドライン発刊前の最終作業として, 各章で解決すべき事項の検討やWHOによる水質保全関連活動における統合的戦略の作成に関する討議を行った.

3.ナノマテリアルの安全性確認における健康影響試験法に関する研究

 ナノテクノロジーは,その新機能や優れた特性を持つ物質を作り出す技術により国家戦略としてその開発が進められており,その中心的な役割を果たす,ナノマテリアルの生体影響に関しては,多くの点で未知である. 本研究では,これらナノマテリアルの安全性確認に必要な健康影響試験法に関する調査,開発検討を行っている.「ナノマテリアルの健康影響評価手法の総合的開発および体内動態を含む基礎的有害性情報の集積に関する研究」では, OECDの作業グループのSG3に対応した試験データの収集のために,フラーレンと単層カーボンナノチューブの皮膚刺激性試験と皮膚感作性試験を行った[厚生労働科学研究費補助金].さらに,「ナノマテリアルの潜在的慢性影響の評価手法確立に関する研究」では, 毒性部および生活衛生化学部と共同で,フラーレンやナノチューブを気管内投与する場合の分散法や生体内分析法の検討を行った [一般試験研究費].本研究分野に関連して,欧州食品安全機関(European Food Safety Authority: EFSA) 科学委員会のナノテクノロジーに関するワーキンググループ会議(第3回,第7回,第10回,第12回)に参加し,食品及び飼料へのナノ科学及びナノ技術の適用により生ずる潜在的なリスクに関するリスク評価ガイダンスの作成についての討議に参加した.本ガイダンスは,平成23年5月10にEFSAから公開された.

4. 用量反応性評価におけるベンチマークドース法の適用に関する研究

 食品中の化学物質に関する健康影響評価における用量反応評価において有用であるベンチマークドース法の適用のためのガイダンス案を作成することを目的とした研究を行っている. 本年度は,国際的なベンチマークドース適用の現状調査において,IPCSやEFSA等の用量反応性評価ガイダンスや疫学データを対象としたベンチマークドース適用事例を整理し, 現状と問題点を整理するとともに,ベンチマークドースの算出手法の検討研究において国際評価機関や化審法でTDIやNOEL等が評価された物質について,ベンチマークドースの計算が可能な計数データを整理し, 計算結果とNOAELとの比較検証を行った [内閣府食品健康影響評価技術研究].

5. 国際協調により公的な試験法を確立するための手順に関する研究

 OECD-EDTAで提案された化学物質の内分泌かく乱性評価in vitroスクリーニング試験法のうち,行政的有用性が期待される方法について,OECDにガイドライン化に向けた研究を進めている. HeLa9903細胞を用いたエストロジェン受容体α(ERα)転写活性化試験法(HeLa法)では,追加の国内1施設におけるバリデーション測定を開始した.米国で開発されたLumi-cell法については,バリデーション測定が終了し, バリデーション結果を基にしたICCVAMガイドライン案のpublic peer reviewが実施された.さらに,我が国で開発されたアンドロゲン受容体転写活性化法について,これまでに得られている国内バリデーション結果をもとに バリデーションレポート及びガイドライン案を作成し,OECD にピアレビュー提案を行った [厚生労働科学研究費補助金].

6. トキシコゲノミクスデータベースを活用した医薬品安全性評価に関する研究

 医薬基盤研究所,製薬企業と共同で実施している研究プロジェクトにおける,各種ワーキンググループにおいて解析結果をもとに今後の研究の進め方について議論した [一般試験研究費].

7. 分化・増殖・シグナル(情報)伝達に関与する因子並びに分子の安全性・生態影響評価に関する研究

 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の毒性に見られる性差および年齢差のメカニズムを明らかとするために,COS-1細胞を用いたtwo-hybrid assayを行い,PPARα,PPARβ,PPARγ等の主要な核内受容体との反応性を調査した[厚生労働科学研究費補助金 特別研究].

8. 医薬品の品質,有効性及び安全性確保のための手法の国際的整合性を目指した調査と妥当性研究

 医薬品における金属不純物の規制に関するガイドラインの作成を目的としたQ3D専門家WGに参加して討議に加わると共に,日本側の作業分担として水銀の健康影響評価所のドラフト案を作成した[厚生労働科学研究費補助金].

9. 水道用塗料の経年劣化に伴う溶出の実態等に関する研究

 水道で使用される配管(鉄製)の鉄錆を防止あるいは抑制するため,配管の内面を塗装に使用されている管更生工事用エポキシ樹脂塗料の硬化剤原料の一つである4,4'-メチレンジアニリン(MDA)が経年劣化により 溶出する可能性に関する検討と有害性評価研究によるリスク評価を行う研究において,MDAの毒性情報をとり纏めると共に,発がん性に関する定量評価を行った[厚生労働科学研究費補助金].



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  最終更新日 2012/01/17